10/19 大森貝塚遺跡公園・品川歴史資料館
                                                       (品川区)
               馬込文士村散策のみち (大田区)
ヤマザキ報告 ( 横隔膜損傷顛末 ・写真)
 

 近代日本文学は縄文文化を凌駕するか

半生をふり返って今まで一番笑ったのは、いつであろうと思いをめぐらした。
その結果、我がバカ人生でも最も大笑したのは、小学校4年生のある日であると思い至った。

ある夏の日(半ズボンをはいていた記憶がある)、おれは友だちの青山君と一緒に、いつも遊んでいる公園から、徒歩で20分ほどかかる入谷南公園へ向かっていた。

大通りを横切るために信号を渡り始めたとき、青山君が突然『めだかの学校』の節で
「ぼくら〜の学校の先生は〜」と歌い始めた。そして突然曲調を変え、ゴリラの真似をしながら
「オケツを掻ーいてボーリボリ」とやったのだ。

これが当時のおれの笑いのツボにはまった。腹を抱え、身をよじり、ついには横断歩道の上に突っ伏して笑った。歌っていた青山君もゲラゲラ笑い、道に倒れこんで笑っている。ほどなく信号が赤色に変わるはずだ。車に轢かれてはたまらんと思い、歩こうとするのだが、笑いが止まらずに立ち上がれない。われわれ二人は、ゲラゲラ笑いながらゴロゴロ転がり横断歩道を渡りきった。

道の向こうに到着しても笑いの波は収まらず、街灯にしがみ付いて、しばらく爆笑衝動が去るのを待たなければならなかった。

我ながら幼少期よりバカなのであったなあ、と思うが、この辺からナンセンス→シュールな笑いの嗜好の萌芽が見られるようだ。



 えー、爆笑の思い出とはまったく関係ないのだが、大森貝塚遺跡庭園へ行ってきた。 1万年続いた縄文時代のバイブレーションを感じることが出来るかと、淡い期待を持って行ったのだが、これは空振りに終わった。有り体に言って、静かな良い公園ではあったが、縄文人の息吹は感じ取りようも無かったのであった。

大森貝塚を発見したモース博士の銅像を見て、大森貝塚の碑を撮影して、園内を徘徊し、公園を出た。



品川歴史資料館

 これだけでは物足りなかったので、近くにある品川歴史資料館に足を伸ばす。
ここも言っちゃー悪いけど、大江戸博物館に通いなれたおれにとっては、物足りなかった。ただモース博士に関する写真と資料が展示してあったのは、拾い物であった。


 

               

 モース博士は1877年以来3度来日し、日本滞在は合計して1年9ヶ月程であったが、その間に東京大学での教鞭をとり、大森海塚の発見・発掘・研究をし、さらに日本の庶民文化に興味を持ち、路地裏から路地裏へ飛び回り、見学して歩いた。特に美術・芸術的には日本人自身にさえ一顧だにされない日用品の精緻さに驚き、これを収集した。

 弟子の不慮の死に際しては墓石の代金の工面をしてやり、帰国後に関東大震災の報を受け、これを悼み、自分の蔵書を東京大学に寄贈していたりする、大の親日家であったようだ。かつてこんなアメリカ人もいた事を、尊皇攘夷論者諸君にも記憶の底に入れておいてほしい。



 なんとなく今回の探訪はカラ振りっぽい気分で大森駅へ引き返すと、駅前の神社の境内らしき木々のふもとに、大きな金属板のようなものが見えた。これが驚愕の小径の入り口であった。



近寄ってみると「
馬込文士村散策のみち」と記された案内板があり、どうやらこの地にゆかりの深い文学者を紹介しているようであった。そこにはおれを悶絶させるためにあるかのようなレリーフが設置されていた。


「馬込文士村散策のみち」は神社の横の坂道に沿って続いていた。込み上げてくる笑いを漏らしながら、階段を昇る。文学青年ならまだしも、芸術とまったく関係ないおれには爆笑の壁であった。





銅像爆笑症については、かつて原因を突き止めたが、レリーフ (とくに日本人物)がどうして可笑しいのか分らない。
しかしとにかく、おれは笑いを抑えるのに必死であった。道を行く人々は見慣れているせいだろうか、何の反応も示さない。馴れとは恐ろしいものである




    



  『失われた楽園を求めてシリーズ /馬込文士村散策のみち 』




 たいへん失礼であるが、ほとんど妖怪曼荼羅である。



小学校の頃のおれと青山君がこの場にいなかったことは、幸運だったと言えよう。あの頃に間違ってこの道に迷い込んでいたら、爆笑しながら階段を転げ落ちていたことは火を見るより明らかだからである。


この項おわり








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