2006


  3/22 秋葉原  交通博物館 (千代田区) ヤマザキ報告 ( 摺り足マラソン報告 ・写真)


交通博物館

JR秋葉原 電気街口より
   徒歩5分


入館料 大人 310円
      こども 150円

休館日 月曜日

    異教徒の聖地訪問


 秋葉原にある鉄道マニアの聖地、交通博物館が無くなる。
 5月14日で閉館し、来年10月14日にさいたま市で鉄道博物館として再出発するそうである。




 宣伝ビラによると「普段は公開されていない旧万世橋駅の遺構を特別に公開いたします」とのことなので、鉄道マニアではないおれも訪問せねばなるまいと、重い腰を上げた。


 JR秋葉原駅から交通博物館に行く道すがら、日々刻々と変化するアキバの街を通りぬける。数年前まではこの地には無かった種類の店がぞくぞくとオープンしている。



 すんでの所で購入するするところであった。あぶねえあぶねえ


 (この項つづく)

 (21日のつづき)

 3月23日

交通博物館入口

 交通博物館は船舶・飛行機・自動車関連の展示物があるが、何といってもメインの展示物は鉄道関係である。だが、鉄道マニアではないおれにとっては、猫に小判であった。



 な、何がうれしくて鉄路の虜……。
 しかしやはりここはマニアの聖地であり、熱狂的ファンには垂涎の展示物らしかった。


  

              


 閉館イベントである「旧万世橋遺構特別公開」のミニツアー参加する。20分ほどの行程で10分位は万世橋駅の記録映画。その後、旧万世橋駅のプラットホームへ上がる階段見学。ホーム自体はガラス窓で仕切られていて昇れず。有料だったらワメキちらしているところだが、館員さんの善意で行なわれている催し物なのだろうから、大人しくしておいた。



 ミニツアーは、まー、それなりだったが、ボランティア活動みたいな催しだから仕方ない。30人ほどの人間が首から入場パスをぶら下げて、引率の館員に
(写真)点呼をとられ、一列に並ばされて遺構公開区域に入っていくのだが、困ったのは最後尾のおれに対して、前を歩くおじさんが振り向いてやたら話しかけてきたことだった。


 悪い事にそのおじさん(60歳くらいのサラリーマン風) は、おれの事を同好の士であると勘違いしたようであった。集合場所のホールから遺構建築内に入るまでの約2分ほどの間に、自分は横浜から駆けつけてきた事、カメラを持ってこなかったので売店で使い捨てカメラを2台買ったが、すでにそれらのフィルムを使い果たして、あわてて3台目を買ってきた事などをまくし立てた。

 おれは知らない人とか初対面の人にしつこく話しかけられるなどというのは、とても苦手な性質である。昔、学園紛争華やかなりし頃に「
連帯を求めて孤立を恐れず」という標語(?) みたいのが流行ったが、こちとらハナから連帯など求めてもいず、孤立状態が常態であり、一番落ち着く情態である。しかしだからといって、この程度の些細な事で、相手の耳を引き千切り、口腔内に押しこんで黙らせるような行為に出るわけにもいかず、紙一重の精神力で耐えた。


 ただし、プロレスや笑いを主体とした演芸の事なら別である。


 BMLがちゃんと機能していたならば、柴田勝頼vsヴォルク・ハン戦が実現したろうし、ジェラルド・ゴルドーが死神のような形相で乱入し、ハンのセコンドについていたアンドレイ・コピィ ロフを血ダルマにしたりしたのだろうか、とか

 美濃輪育久のあの2段モーショーンのように拳を突き上げるアピールの仕方は、ス−パーヘブン→ウルトラ・ヘブンを表現しているのではないか、とか

 スピードワゴンは「甘〜〜〜い」ネタよりも、シュール・ネタをやってた時の方が面白かった、とか

 欽ちゃんは、大人しい子供だった事が定説になっているが、近所の桑原さんのおばあちゃんは「あの子はイタズラッ子でしょうがなかった」と言っていた、とか

 八波むと志は空前絶後のコメディアンだった、とか

 山口智充や友近などの歌の巧い芸達者を集めて、映画で「ミュージカル水戸黄門」をやれば、日本のミュージカルの復興に役立つかもしれないとか

 その様な類の話しなら、たとえ初対面の人間でも、3時間くらいなら語り合う事にやぶさかではない。


 見学タイムが終わり、自由解散になったところでしつこく話しかけてきたおじさんを振りきって、再び館内見学に戻る。何かおれの興味を惹くものが無いかと探しまわったあげく、ひとつだけ発見した。

(この項つづく)
          

(21日のつづき)
 3月25日

 フラフラと館内をさ迷い歩くと、ミニツアーの集合場所の1号機関車の前に戻っていた。この機関車は1872年に新橋〜横浜間が開業になったときに使用された機関車で、「きかんしゃやえもん」のモデルになった由緒あるものであるらしい。

 先ほどの集合時には気付かなかった、この機関車の後部に連結された客車がちょいとおれの気を惹いたのであった。

 何しろきっぱりと
  下等  THIRD CLASS
と書いてあるのが良いやね。JRの意味の判らない「グリーン車」とか(車内が観葉植物で飾り立てられているわけでもないのに)とか柑橘類と無関係の「オレンジカード」とか、スイスイ通れるカードであるはずなのに、ヨチヨチ歩きのペンギンがキャラクターの「SUICA」とか、もはや錯乱したとしか思えない「E電」とか、蹴り飛ばしたくなるような歴代のパラノイア的命名群に比すると、昔のほうが余程すっきりとした感性であったようだ。

 現在山の手線で使用されているラッシュ時に座席が引き揚げられ、乗客がより多く詰め込まれるようにしたタイプの車両は、一部で「家畜車両」と揶揄されているが、もっとはっきり「下層階級搬送車」とか「奴隷護送車」と広言したほうが、世の中の仕組みが良く判るようになると思う。もちろんおれもその車両に揺られている一人ではあるが。

 まあいいや、それでその下等車に乗っている乗客なのだが、

実にアヤシイ。この不気味とさえ感じる乗客達は、見る者の想像をかき立てる。

 おのおの髭をたくわえ立派な紳士然としているのだが、よく見ると、肌の艶が異常に良い。というより、これでは肌の手入れに余念のない女性のようである。宝塚歌劇団の男役を想起させる。さらに、この車両は内部見学が出来ず、かなり高い位置にあるので、乗客達の襟元から下はジャイアント・シルバでもないかぎり確認するのは不可能である。

 これはもう、何が起こっても不思議はない状況である。男装の麗人は下半身はコシミノを着けて銀ラメのスケート靴を履いているのかもしれない。ラスタカラーのハラマキにマリファナの葉のロゴ入りトランクス、ネコバスのように何本も生えている足にドラえもんの絵入りの靴下を着用している可能性もある。

下半身はカメかも知れぬ。

 いやいや、きっと腰から下は亡霊のようにボワッとしていて、そのまま異次元空間に繋がっているに違いない。閉館後の交通博物館内をフラフラさ迷い歩いているのだ。
この乗客達を見に行くだけでも310円の価値はおれにはあった。


 ともあれ、鉄道ヲタ魂も脈々と受け継がれいるようである。ちょっと不気味な感じはするが、静かで紳士的で平和を愛する鉄道ファンよ永遠なれ!


鉄道マニアのみならず、お年寄りから幼児にまで親しまれた交通博物館は5月14日で閉館になります。興味のある方はぜひ訪問されたし。次ページに詳細な地図を添付しておいたので、参考にして下さい。





次のページへつづく



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