7/4  篠崎 ヤマザキ報告 (夢遊病カルテ・写真)

天国への道



 
「ヤバイなあ……」と思いながら歩いていた。
 白昼夢を見ているようだった。その道は臨死体験者が語る死後の世界のようで、目的地が川原だった事もあり、三途の川へと向かう旅路のような気分であった。


 都営新宿線「篠崎」駅を降り、千葉との県境を流れる江戸川の河川敷に向かった。
 しばらくは「本郷親水緑道」という名称の整備された歩道を歩いた




 
突然、歩道が途切れた。まわりを良く見渡すと、一般道路で言えば中央分離帯にあたる場所に、ずれた形で歩道が続いていた。



 
一本道をどんどん歩いた。
 1メートルほどの道幅の両側に花が咲き乱れていた。手入れが行き届いているとは言えないが、雑草が共生している程よい荒れ方に好感が持てた。「赤い花」の
キクチサヨコが佇んでいても、何の違和感もない。怖いというより不思議な気持ちになり、嬉しささえ感じ始めていった。







 
道のかたわらにネコが寝ていたり、適度にウンコなども落ちていて、変な言い方だが白昼夢感にリアリティを与えていた。
 雑草と花とネコとウンコの分をわきまえた了見。粋であり美である。



 
一本道は土手の50メートルほど手前で終わっていた。河川敷へはさらに大通りを横切らなければならなかった。
 一見、道のドン詰まりのように見えるところに、綺麗な赤い花が咲いていた。まさに、つげ義春の世界である。
 
 


 
その花たちは、おれを押しとどめている様でもあり、迎え入れている様でもあった。ただ咲いている以上の、何かのメッセージを発しているような気はしたが、感性の鈍いおれにはそれより先の事は分らなかった。
 気がかりであったが、花の左側をすりぬけ、江戸川の土手へ向かった。



 
   この項つづく


                     
7/10  篠崎 2


    地獄の門


 
ほどなく江戸川の土手に着いた。なぜか土手を昇る階段が上野の西洋美術館にある「地獄の門」を連想させた。
 しかし階段を昇りきった土手の上からは、江戸川河川敷の平和な風景が広がって見えた。何か格別に平和な風景に見えた。

 風が吹いていた。
 風の音というのは空気と耳朶の摩擦音だ。スピーカーやヘッドホーンでは、そういう事は分からないよなあ、と思った。
 大気があり太陽熱があるから風が吹く
(んだったよな?)。その大気は、当然イラクにも続いていて、同じお日様が彼の地も照らしている。

 戦乱があるから平和が身に沁みるのか。いやに風景が平和に感じるのは、そういう事だったのか。


 
土手に腰を下ろして、川面を眺めた。水と緑と風と平和。これだけで充分だ……



 ――― その時おれは風になった―――

  
あれよあれよという間に風下に流された。あわてずに離岸流(リップカレント)に流されたときの要領で、流されるだけ流されておき、勢いが緩くなったところで逆の方向の風に乗り換えて、元いた辺りまで戻った。川面を渡る風に乗って、千葉県側に行ってみたり、対流を起こしている風に身を任せ、縦回転して水面すれすれまで行き、急上昇したりして楽しんだ。恐怖心は無かった。

 不思議なことに、土手の中程に座っている自分が見えた、ボケーッとしたおじさんが半笑いで居眠りをしていた。どんどん自分に近づいて行った。


 

 
・・・・・・・・・・・・・・ 気がついたら土手の草の上だった。知らないうちに額が汗ダクになっていて、のどが渇いていた。


 
 冷やし中華が食いてえ と思った




               
 第2部

 篠崎 3   篠崎緑地




                      カブキくんのいる風景 [篠崎緑地]


 2回目に篠崎を取材に行った時、カブキくんを連れていった。前回の取材時に、土手の夏草が美しかったので(下の写真参照。モンゴルの草原のようであった)、緑のしとねに半分埋まりながら寝そべるカブキくんの画を撮りたかったのだ。






 しかし再び訪れてみると、見事に草が刈られた後であった。しかたなく土手の上で「カブキくんのいる風景」を撮影した。
 まー、ものごとは思っている事の30%くらいしか成らないものである。これもまた善哉。

 「天国への道」の一番奥にあった赤い花も刈り取られていた。まだ開花前の蕾が沢山あったのに。



 前回この花たちの前に立ったとき、何かを訴えてるような気がしたが、これのことだったか。中途半端な超能力者はこの世の中ではウスラバカ同然である。

 しかし鎌のような刃物で刈り取られているところを見ると、これはどうも無法者が引き抜いて行ったものではなく、何かの理由で土手の草刈りをした人物と同一の人間が(区の職員?)が刈り取ったようである。



 無情ではなく無常というべきであろうか。




 この項おわり



                       
7/20  どこでしょー? ヤマザキ報告
(暑いんじゃ!ボケッ  『経田ギョギョーム調 )


    
夢のお城は休業日だった

 この暑さではすでにものを考えられる余裕は無い。いや、いつも何も考えないで、思いついたフレーズを書き殴っているだけではあるが、そのうわ言バカ作文を綴る気力も無い。


 この項つづく


                  
7/21  昨日のつづき

 
昨日も今日もビールを飲まなかった。
 4年ほど前から突然酒量が落ちた。ほとんどイキナリという感じで右目の視力が0.02以下に落ちたり、眩暈が頻繁に起きるようになった。

 まー、老化という事なんだけど、とにかく酒がほとんど呑めない、というよりも呑む気がしなくなってしまった。無理に呑んでもビール大瓶一本くらいで頭痛がしてくる。20年以上ほとんど毎日酔っぱらいつづけていたのに。過度の飲酒を含めた、平素の悪行のツケが一気に回って来たようである。
 金がかからなくて良いと言えば良いのであるが、友人たちと以前のように酔っぱらってバカ話をするという事が減ってしまったのは、時折寂しい気もしていた。

 そんなとき友人のエドちゃんが
「減圧蒸留焼酎」というものをお土産に来訪してくれた。おれの焼酎に対しての知識は、甲類=悪、乙類=良、というぐらいなものであった。しかしこの減圧蒸留製法乙類焼酎を試してみたところ、久々に酔っぱらっても頭痛・吐き気などをもよおさず、楽しいひとときを過ごす事が出来た。どうなっておるのだ。

 その焼酎を造っている酒蔵が前回の写真の「夢の城
( 『夢の城』はこの項だけの仮称。本当の名称は別にある)」である。
 
酒造の名前も減圧蒸留焼酎の名前も場所も、まだ言わんもんねーグフフフー。

 ヒントとしてこの酒造の近くから望める風景の写真を下に掲げる。もちろん東京都内からの撮影であるよ。



この項つづく


                           
7/26  (7/21のつづき)

もうひっぱるのはやめます。



 
酒造名は「谷口酒造」

 
減圧蒸留製法の焼酎の商品名は「御神火 天上」

 
「夢の城」の正式名称は「ツバキ城」(おそらく屋根のてっぺんに植えてある椿から命名されたものと思われる)
 
 
所在地は伊豆大島(大島町 野増)


 
谷口酒造の経営者兼杜氏の谷口英久氏は「散歩の達人」という雑誌で「一円大王」を連載されていた作家でもある。
 興味のある方は谷口酒造のホームページをご覧になってくだされ
(各自御神火 谷口酒造検索の事)



●伊豆大島
竹芝より高速船 (ジェットフォイル)で1時間45分
          運行時刻は東海汽船に問い合わせの事




 この項おわり









今週の東京 WEEKLY TOKYO
ハラキリ・ブラザースのトーキョー サイトシーイング ガイド

TOKYO SIGHTSEEING GUIDE  * USELESS ! *







inserted by FC2 system