2/7 神楽坂 (飯田橋)
私の「ニュー・シネマ・パラダイス」
ギンレイホールと佳作座で、いったい何本の映画を見たことだろう。
通っていた学校が飯田橋にあった事もあり、この2軒の名画座には、かつて何百回も足を運んだものである。
時間の速度というものは、これはもう、ほとんど暴力的であり、学生時代からあっという間20年の時が過ぎた。
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佳作座が在った所 |
現在の神楽坂 |
久しぶりに神楽坂(飯田橋)へ行って来た。
街は様変わりしていた。
JR飯田橋駅から外堀通りの交差点まで行くと、向かい側に見えるはずの「佳作座」が無くなっている(現在はパチンコ店)。いやな予感がしつつ、そのまま真っ直ぐ神楽坂を登っていくと、この街には、ほぼ昔日の面影が無い事を認識せざるをえなかった。
喫茶店で言えば、まず、あの巨大喫茶「軽い心」が建物ごと跡形も無く消えている。「キング」も「長崎」も「ジョンブル」も名前は忘れたが坂の頂上付近にあった果物屋の2階の上品なフルーツパーラーもなくなっていた。
我々は映画を観てはそれらの喫茶店で、腹がブチ破れるほど笑い転げ、ノドが嗄れるほど罵りあった・・・
『ジョンブル』は当事は珍しかった60種類以上のコーヒーを呑ませた専門店であった。
閉店した店のショーウインドーを覗くと、コーヒー専門店のプライドをかなぐり捨てて必死に店を存続させようとした形跡がうかがえた。 |
「変わった」と言うよりは知らない街のようである。目につくのはプラスチックだかアクリルだかの素材の毒毒ペラペラ看板ばかりだ。悄然・呆然・憮然などの気持ちが脳内でシェイクされ、胸に直径30cmの穴が空き、木枯らしが吹きぬけていった。何か、自分の過去を「消去」されたような、うら寂しい気持ちになる。「こんなの神楽坂じゃない!」と見切りをつけ、誰にもぶつけ様がない苛立ちを押さえて、坂を下り飯田橋駅方面に戻りかけると、建物は新しくなっていたが不二家は残っていた。
ペコちゃん焼き
ペコちゃん焼き断面図 |
この店は「ペコちゃん焼き」という、まあ、タイヤキのようなものを製造販売している全国で唯一の店である。おれも学生時代にはよく食べた。懐かしさで、さっそく買い求めようと店内へ入る。以前は無かったチョコレートとか苺クリームとかチーズとか、今風に中身が多種になっている。心中で
「ペコちゃん焼きはアンコに決まってんだろうがあ!!」
と叫びつつ、ついチョコレートも買ってしまった。ナサケない。
「ペコちゃん焼き」2ヶの代金を払い、店員に「ありがとう」と言ったが、その女店員は返事もしない。馬鹿め馬鹿め馬鹿めサルサルサルサルサルとワメきながら、外堀沿いの公衆便所の横まで移動し、半泣きになってペコちゃん焼きを一口かじる(・・・・・『チョコレート』であった)。
――― 街も変わるし人も変わる。変わって当たり前だ。無茶を言うようであるが、たった140年ほど前までは江戸時代で、チョンマゲ姿で刀を差した人々がウロウロしていたのである。どうせ何年後かには、テレホン・マイクロチップを内耳に埋め込んで鯖型デイパック・サックを踵までズリ下げたスケルトン・ヘアー横モヒカン男が、反重力ブーツでそこいらへんを闊歩するようになるのだ。勝手にどんどん変わりコキハレてくれ。こちらはこちらで時代にへつらわず、媚びず、ホンダラ人生をまっとうする。するったらする。
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大江戸線に乗って帰宅の途につくため、ギンレイホールの前を通る。ギンレイホールが健在なのは知人からの情報により知ってはいたが、相変わらずセンスの良い映画をかけているので一安心。ここの「年間パスポート」という一万円払えば、1年間は何回でも入場できるという企画は素晴らしい。映画ファン(特に映画青年←死語?)の味方である。
もはや「我が青春の神楽坂」はギンレイホールにしかない。
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2/17 恵比寿 ガーデンプレイス
ここには、ぬわ〜〜〜〜〜んも感じるものが無い。
参考文献
建築のパフォーマンス 磯崎 新 (パルコ出版)
十二世紀ルネッサンス 西欧世界へのアラビア文明の影響 伊東俊太郎 (岩波セミナーブックス42)
カテドラルを建てた人びと ジャン・ジェンペル 飯田喜四郎訳 (鹿島出版会)
ロマネスクの図像学 エミールマール 田中仁彦ら訳 (国書刊行会)
周辺のイメージ 中世美術の境界領域 マイケルカミール (アリナ書房)
ロマネスク世界論 池上俊一 (名古屋大学出版会 競争優位の戦略
ポーター ダイヤモンド社 )
戦略サファリ ミンツバーグ他
(東洋経済新報社)
シナリオ・プランニング ハイデン
(ダイヤモンド
1998)
シナリオ・プランニングの技法
シュワルツ
(東洋経済新報社)
都市のマーケティング−戦略的街づくりのすすめ
田村 馨 (有斐閣)
ペルソナの法則−イメージ・マーケティングでビジネスに成功する法
デレック・L・アームストロング
(東急エージェンシー)
写真芸術 金丸重嶺 (朝日新聞社)
反美学/ポストモダンの諸相
ハル・フォスター編 室井尚+吉岡洋
(剄草書房)
批評空間/モダニズムのハード・コア
浅田彰・岡崎乾二郎・松浦寿夫共同編集
(太田出版)
『東京ミキサー計画』 赤瀬川原平 (ちくま文庫)
アメリカ映画における子どものイメージ
社会文化的分析
キャシー・マーロック・ジャクソン
(東信堂)
ロバート・キャパ写真集 フォトグラフス−フォトグラフス
ロバート・キャパ
(文芸春秋社)
歴史写真のトリック−政治権力と情報操作
アラン・ジョベール著
(朝日新聞社)
写真の力 飯沢 耕太郎
(白水社)
写真芸術論 重森 弘淹
(美術出版社)
地球見聞録−山本皓一写真集 山本 皓一
(飛鳥新社)
トド松の涙 ショーグン・ヤマザキ (腹切出版)
カメラ面白物語−エピソードでつづる日本の写真150年
朝日新聞社編 (朝日新聞社)
20世紀写真史 伊藤 俊治
(筑摩書房)
日本・現代・美術 さわら木野衣
(新潮社)
恵比寿 旧サッポロビール恵比寿工場地区発掘調査報告書
(出版者 恵比寿・三田埋蔵文化)
世界のビール案内 マイケル・ジャクソン
(晶文社出版)
ビアマニア!−飲んでおきたい世界のビール77本
藤原 ヒロユキ (日之出出版)
思考の敗北あるいは文化のパラドクス
アラン・フィンケルクロート
(河出書房新社)
表情 廣松渉
(弘文堂 )
戦後精神の探求−告白の書
梯明秀(
勁草書房)
思想の落し穴 鶴見俊輔 (岩波書店
)
場所(トポス) 中村 雄二郎(
弘文堂
)
分散する理性−現象学の視線 鷲田 清一
(勁草書房)
アレーテイアの陥穽 小林 敏明
(ユニテ)
コウモリであるとはどのようなことか
トマス・ネーゲル (勁草書房)
現代人は何を信ずべきか−「技術環境」時代と信仰
ジャック・エリュール
(春秋社)
「普通の人」の哲学−鶴見俊輔・態度の思想からの冒険
上原 隆 (毎日新聞社)
超越論哲学−経験とその根拠に関する現象学的省察
山崎 庸佑 (新曜社)
東洋と西洋 カール・レーヴィット
(未来社)
現象学と構造主義−対決と調和
小川 侃
(世界書院)
ディスクールの理論
D・マクドネル(新曜社)
真理という謎 マイケル・ダメット
(勁草書房)
自由のためのテクノロジー−ニューメディアと表現の自由
イシエル・デ・ソラ・プール
(東京大学出版会)
ヤルタ会談−戦後米ソ関係の舞台裏
倉田 保雄
(筑摩書房 )
スウェーデン現代政治 岡沢 憲芙
東京大学出版会
遷都論−二十一世紀国家への脱皮のために
戸沼 幸市
(ぎょうせい)
インドの現代政治 斎藤 吉史
(朝日新聞社)
アパルトヘイト−文書・記録による現代南アフリカの研究
エドガール・ブルーケス
(未来社)
自治の現場と「参加」−住民協働の地方自治
寄本 勝美 (学陽書房()
日本政治史 4 升味 準之輔
(東京大学出版会)
偉大な天皇の遺産 和田 春樹
(径書房)
奴隷文化の誕生−もうひとつのアメリカ社会史
トーマス・L・ウェッバー (新評論)
ヨーロッパの核と平和 ジャン・トゥーラ
(三一書房)
私のTokyo改革論−「東京朝日」100周年記念懸賞論文にこめられたアイデア・夢・プラン
朝日新聞社( 朝日新聞社)
民衆文化と天皇 歴史学研究会
(青木書店)
アメリカの大統領政治 花井 等(
日本放送出版協会)
代用監獄33人の証言 佐藤 友之
(三一書房)
金属材料の溶接 蒲地 一嘉
(共立出版
)
射出成形用金型 第2版 シライシネジユンイチロウ
(日刊工業新聞社)
図説 佐渡金山 テム研究所
(河出書房新社)
新合金 金子 秀夫 (産業図書)
夕張炭坑節 戸田 れい子
晶文社
シリーズ金属の文化,2 朝日新聞政治部
(朝日新聞社出版局)
私の鉄鋼昭和史 稲山 嘉寛
(東洋経済新報社)
ドイツ鉱業政策史の研究−ルール炭鉱業における国家とブルジョワジー
石垣 信浩 (御茶の水書房)
鉄の歴史と化学 田口 勇(裳華房)
金属の腐食・防食Q&A−コロージョン110番
腐食防食協会 (丸善)
形状記憶合金のはなし 鈴木 雄一
(日刊工業新聞社)
驚異の希金属・レアメタル−どこにどれくらいあり、何に使うか
吉松 史朗 (講談社)
ドキュメント 新日鉄の変身−リストラに燃える
日本経済新聞社 (日本経済新聞社)
形状記憶合金とその使い方
大阪科学技術センター形状記憶合金用途開発委員会
(日刊工業新聞社)
合金めっき 榎本 英彦
(日刊工業新聞社)
金銀島日本 田中 久夫
(弘文堂)
石炭ものがたり 相原 安津夫
(青木書店)
貴金属の化学 呂 戊辰(
日刊工業新聞社)
金型加工技術 吉田 弘美
(日刊工業新聞社)
日本の鉱山 小山 一郎
(内田老鶴圃)
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2/28 岩淵
隅田川は荒川の支流(派流)である。その分岐点の岩淵にある赤水門緑地という島(?)を散策していたら「草刈の碑」という石碑を発見して、感動にうち震えたので、ご報告する。
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「農民魂は先づ草刈から」 |
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由来を読むと、昭和13年より6年間、おりからの戦争で中止になるまで、この地で
「全日本草刈選手権大会」
が催されたと記されていた(マジ・・・らしい)。
この石碑を建立したと思われる人物の名も刻まれており、凄い事に「横尾堆肥居士」と号していた(やはりマジなのだ)。
堆肥居士
「立川流落語会家元 立川談志こと 立川雲黒斎家元勝手居士」と双璧と言わねばなるまい。
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草を刈れ、草を。 |
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草を刈れ、草を! |
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草を刈れ!草を!! |
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草を刈れ!!草を!!! |
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草を刈れ!!!草を!!!!
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